OpenINVENT-2.0.0における距離センサによる障害物回避走行実験結果
| シミュレーション実験ムービー | 実機実験ムービー |
![]() |
![]() |
| MPEG2 (52.0MB) | MPEG2 (81.7MB) |
実験のシナリオと狙い

実験では上図のような幾何学情報が既知である環境において、ゴール位置姿勢を与えて、自律走行させる。ただし、スタート位置から4m付近には未知の静止障害物が、さらに、8m付近には走行路を塞ぐように未知の移動障害物が存在するが、後者は移動ロボットが走路を絶たれて停止した場合は道を譲るように環境から退出する。よって移動ロボットには、
1. 環境情報からゴールに至る経路を生成し
2. 経路を追従して走行し
3. A地点付近で未知の障害物を検知して回避し
4. B地点付近では未知の障害物によるバリアにより停止し
5. 未知の移動障害物の消滅を検知して走行を再開し
6. ゴール位置姿勢に到達する
ことを期待した。特に、地図や観測情報に確率表現を導入したことにより、未知障害物の発見、回避、退避、消滅確認などが、OpenHRP3を用いた仮想世界でのシミュレーションでも、実世界における実機実験でも、スムースに実現されることを検証することを狙いとした。実験に用いたRTCとシステム構成
RefHardRTC:速度指令から左右車輪モーターの目標角速度を計算し、実機のモータードライバに出力する。同時に、エンコーダ値を読み込み、左右車輪回転角度に換算して出力する。
URG Sensor RTC:実際のURG距離センサからの距離データを出力する。これも㈱SECが開発している。
実験結果
シミュレーション実験を行った様子を以下に示す。


各図において右側が仮想世界の3DViewであり、左側がInventGUIの画面である。
まず、InventGUIの右上TabViewにおいて2D地図生成のパラメータ(原点:0.0m、0.0m、グリッドサイズ:0.2m、0.2m、グリッド個数:22、52、高低:0.1m、1.5m)を入力しSETをクリックすると(1)、一呼吸置いて、下のViewに障害物存在確率を濃淡で示した2Dグリッド地図が表示される(2)。緑の既知障害物の場所のグリッドのみ障害物存在確率1.0を示す白になっており、MapBuilderRTCにおいて正しく2Dグリッド地図の初期化が行われていることがわかる。
次に、InventGUIの左上のViewにおいて現在位置姿勢とゴール位置姿勢(現在位置:0.9m、0.9m、現在姿勢:90度、ゴール位置:0.9m、8.9m、ゴール姿勢:270度)を入力しSETをクリックすると(3)、次の瞬間、2Dグリッド地図の表示上に計画経路が表示される。これにより、GlobalおよびLocalPathPlannningRTCにより、ゴール位置姿勢に到達するための経路が生成されていることが確認できる。同時に、距離データも表示され、URG Sensor Simulator RTCも正常に機能していることがわかる。
InventGUIの左上のViewでStartをクリックすると(4)、DriveControlRTCが計画経路に沿って走行するための速度指令の出力を開始し、仮想世界内の移動ロボットが移動を始める。これは右側の3DViewで確認できる。また、OdometryRTCが計算した位置姿勢がLocalizationRTCを介してInventGUIに送られ、2Dグリッド地図の表示上でも移動ロボットの位置姿勢が更新される(5)(6)。ただし、本シミュレーションではオドメトリ誤差の影響をなくすため、OpenHRP3から位置姿勢を直接受け取り、オドメトリの代わりに使用した。
また、(5)(6)ではロボットの移動に伴い、距離センサが未知の障害物への反応をはじめ、その位置のグリッドの障害物存在確率が初期値の0.0から徐々に増加していることがInventGUIの2Dグリッド地図上の濃淡の変化によりわかる。
そして(7)では、未知障害物の左端の位置に相当するグリッドの障害物存在確率が閾値を越えたことが、InventGUIの2Dグリッド地図上で赤く表示されたことでわかる。また、青い局所計画経路が右に迂回するように変更されたことから、閾値を越えたグリッドの情報がLocalPathPlannningRTCに受け渡され、ポテンシャルの再計算とともに局所経路の更新が行われたことがわかる。これ以降しばらくは、更新された経路にしたがい未知障害物を回避して移動を続ける。
(8)では、新たな未知障害物が距離センサの観測範囲内に入りはじめ、グリッドの障害物存在確率が増加しており、(9)では右端の障害物に相当するグリッドの確率が閾値を越えたため、局所経路が更新され、さらに(10)では中央の障害物に相当するグリッドも閾値を越え、局所経路が既知の障害物との間を縫うように迂回させられるが、遂に(11)では左端の障害物に相当するグリッドも閾値を超え、局所経路が消滅する。これにより、ゴールに到達する経路の生成不可が正しく認識され、移動の停止が行われたことがわかる。
次に(12)では左端の障害物を、(13)(14)では、中央、右端の障害物をマニュアル操作で仮想世界から消滅させた。
その事実は距離センサにより観測され、障害物の存在したグリッドの確率が徐々に減少し、(15)では最初に消滅した左端の障害物に相当するグリッドの確率が閾値を越えて下がり、次の瞬間(16)、ゴールに到達する経路が再生成され、移動が再開される。(15)から(18)においては、グリッドの確率変化が見てわかりやすいように、距離データの表示はOFFにしている。これ以降は、再生された経路にしたがい移動を続け、(23)においてゴール位置姿勢に到達した。
実機実験でも、シミュレーションと同様の行動をとった(下図参照)。

以上、本実験において、RTC群により狙い通りの行動が発現することが確認できた。